 |
| PDFを閲覧・印刷するには、Adobe Readerが必要になります。 ダウンロードはこちらから(無償)。 |
|
更年期と加齢のヘルスケア研究会 代表世話人
小山嵩夫クリニック 院長 小山 嵩夫 |
結合型エストロゲン(CEE)0.625mg,酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)2.5mgによる持続併用投与法で,かつ肥満で63歳(平均)からの5年間の場合は,60歳代中頃はもともと更年期障害はあまり顕著には出現しない世代にも関わらず,WHIでは適応は更年期障害を中心としたほうがよいとしている。
しかしHRTを一般に服用する場合は50歳代が多く,わが国ではこれほどの肥満はほとんどいない。結合型エストロゲンの量を変えたり,MPAの投与量,投与法に工夫を加えたり,結合型を天然型エストロゲンに変更したりすることにより,WHI報告の結論は大きく変わる可能性がある。これらの点も含めて演者間,会場との間で十分に討論したい。 |
| 2.HRTの止め時,継続すべき場合は −とくに5年以上の長期投与をどう考えるか− |
WHIを5.2年で中途中止したこと,乳がんが5年以上投与から明らかにわずかであるが増加しはじめたこと,骨租軽症治療で5年まではHRT,6年以上は他の治療法も考慮すべきとしたことなどからHRTは5年までといわれることが時々みられる。WHIで乳がんなどのリスクが高いとしたのは相対リスクで絶対リスクでは非常に低い。日頃の臨床では絶対リスクが高いかどうかが,治療を実施する場合の判断基準である。また,骨租軽症治療ではHRTは最低7年間といわれており,現在も閉経前後の健康維持目的で5年,10年とHRTを服用している人達も多く存在する。
ヨーロッパではCEEとともに天然型のエストロゲンも多く服用されている。CEE 0.625とMPA 2.5の持続併用投与法,かつ特定の集団のみのデータでHRT全体への結果とする今回のWHI報告やFDAのコメントに対する疑問もあり,ヨーロッパではWHI後もHRTの基本方針は以前とほとんど変わらないともいわれている。
北米閉経学会もここ1年間は混乱していたが,最近はNIH,FDAの見解とはある程度距離をおいて,コメントを発表する様になってきている。
これらの点などもふまえて十分に討論したい。 |
50歳代前半で,エストロゲンの量,投与法,種類などを工夫し,対象も適切な症例に実施した場合,HRTはまたまったく別の展開を示す可能性は非常に大きいと思われる。
北欧でいわれている様にHRTの最大の受益者は患者当事者であり,この面からもわが国ではほとんど触れられていないが,医療経済は抜きにしては語ることはできない。今後の展望について前向きに討論したい。 |
|